移民を急ぐ中国富裕層 「偽外資」は減少傾向
【新唐人2014年9月18日】中国のインターネット通販最大手アリババグループのアメリカ市場への上場が話題となっています。一方、中国一の富豪になると見られる会長の馬雲氏は現在、香港への移民手続きを進めています。イギリスのバークレイズ銀行が発表した最新報告書によると、中国の富豪の半数近くが5年以内の移民を計画しています。
「足で投票する」。これは、イギリスのバークレイズ銀行が最新報告書で中国の富裕層の心理を表した言葉です。
資産総額150万ドル以上を所有する2000人以上の世界の富豪に対して行われたこの調査報告によると、47パーセントの中国人富豪が5年以内に先進国に移住することを計画しており、他の国のこの割合を大きく上回っています。
ルパート・フーゲワーフ研究院が今年始めに行った調査結果では、中国の64パーセントの富豪がすでに移民、または移民手続きの進行中です。移民の最大の動機は、資産のリスクを分散させるためでした。
米プリンストン大学経済学者 程曉農さん
「中国人投資移民の多くは一部の資産を先に移転させます。家族が移住してからは商売はどうなってもいいのです。彼らにとって移民はいつでも逃げられる飛行機のチケットなのです」
データによると、中国の富豪が一度に全ての資産を海外に移すことはあまり見られないようです。これまでのバブル期では、「アリの引っ越し」のように、少しずつ資産移転が行われてきました。
特に、中共体制内の高官の家族は、移民手続きと資産の移転が完了してから、外資の名目でホットマネーを再び中国に持ち込む手段をとっていました。アメリカプリンストン大学の経済学者、程曉農(ていぎょうのう)さんの研究では、中国が誘致した外資のうち、この種の偽外資が7割を占めるそうです。ところが、ここ2か月で、この「偽外資」に変化が見られているといいます。
米プリンストン大学経済学者 程曉農さん
「大きな変化が起きています。今年7〜8月からはホットマネーの流入が見られず、小幅ですが、流出が増えつつあります。流入が止まったのは中国の腐敗撲滅運動が原因で、ホットマネーの流動リスクが大きくなったからです。ホットマネーの流出の量が少ないのは、大部分が不動産に投入されたからです」
目下、移民の心理に対する国際機構の調査は、ほとんどが1000万ドル以上の資産を所有する富豪に限られています。一方、中国メディアの調査によると、中国の中産階級も全財産を挙げて、新たな移民の行列を作っています。中産階級の移民の原因も、中国での生活に不安を感じているからだそうです。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/09/17/a1138849.html (中国語)
(翻訳/坂本 ナレーター/村上 映像編集/李)